【感想】神様の跡継ぎ/安東あや
年末年始は積読解消!とばかりに本を読んでいる白井です。
夫も帰ってきているしライター仕事も休みをいただいているので昼間も夜も時間があるので、結構本を読む時間を確保できていて嬉しいです。
神様の跡継ぎ/安東あや
またジャケ買いしてしまいました。
こういうティーンズ向けの本は表紙がきれいで可愛くてつい手に取ってしまうのです~。
同じ理由で児童書も好きです。
舞台は鎌倉。
神社の跡継ぎを拒み続けてきた伊吹は21歳の誕生日を目前に控えたある日<神様の跡継ぎ>と名乗る青年に出会う。
「弟の行方が知りたければ神様修行を手伝え」と無茶苦茶を言われ、彼に振り回される中で次第に伊吹の気持ちにも変化がみられるようになり──
というのがあらすじなわけですが、まぁティーンズ向けなだけあってとても読みやすかったです。
思春期に誰しもが通る「将来の夢に対する漠然とした不安」と向き合っていく伊吹の姿に、自分の高校生時代を思い出したりしました。
親に、というか周りに大人に反発したくなるというか、大人には自分の気持ちなんてどうせ分かってもらえないと変な意地を張ってしまう年頃ってありますよね。
伊吹の視点で物語が書かれているので、伊吹に対して冷たくあたる彼の叔父の言葉とか態度が結構心に刺さってムカッとするんですけど、これは伊吹視点で伊吹の気持ちがわかるからこそなんですよね。
これが逆だったら、叔父の視点だったらまた感じ方が違ったんだろうなぁと思います。
立場的には私は叔父に近い立場なので、めちゃくちゃ共感してしまうかもしれません。
まぁ最後は伊吹と叔父のわだかまりも解消されてモヤモヤすることなく読み終われるんですけどね。
最後の方はうっかり涙してしまうシーンが多くて、特に10年前に行方不明になった弟・日向に関するシーンではもうボロボロ泣いてしまいました。
ああいうのに弱いからほんと困る。
将来の進路に迷ったとき、この本が読めたらもう少しひねくれることなく高校生活を送れたかもしれないなぁと。
そんなことを思わせてくれる一冊でした。